生命環境科学コースで特別講義が行われました

 7月12日(火)、工学科 生命環境科学コースの「環境生物学」にて特別講義が行われました。名古屋大学 助教の水谷友一先生に、「最先端の手法で切り取る野生動物の行動とストレス~ウミネコのバイオロギングとテロメア、酸化ストレス~」と題してお話いただきました。
 水谷先生は約15年にわたり、蕪島のウミネコを研究されています。今年度、本学工学科 生命環境科学コースの鮎川恵理 准教授が蕪島の植生調査を担当している関連で、今回講師を務めていただくこととなりました。
 講義では、ウミネコの生態や行動を調査した結果や生理的メカニズムをお話いただきました。動物行動学では、まずは個体をよく見て、記録するのが基本だそう。しかしヒトの観察には限界があるため、「バイオロギング」という手法を用いた研究が行われていることを教えていただきました。これは、「バイオ(生物)」と「ログ(記録)」の造語で、動物にロガーを取り付けデータを取得し、動物の行動を明らかにする手法です。動物自身が記録者となり、本来の自然の姿を捉えることができます。蕪島のウミネコについても、移動場所や距離、到達時間などさまざまな情報が得られるとのことでした。また、染色体末端部・テロメアや酸化ストレスと行動や加齢との関係についてもお話いただきました。
 学生たちは、メモを取りながら真剣な面持ちで受講していました。普段何気なく目にしているウミネコの新たな一面を知る、貴重な機会となったようでした。

(2022年7月15日 掲載)