岩手県山田町にて防災まちづくり教育を実施しました

 1月24日(火)・25日(水)の2日間、防潮堤壁画制作を進めている岩手県山田町にて、町内の児童や生徒を対象としたまちづくりと防災に関する教育授業を実施しました。

 山田町は2011年の東日本大震災当時、防潮堤をはるかに越える大津波や、その後の大規模な津波火災によって甚大な被害を受け、近年では台風などの豪雨による被害も頻発傾向にあります。今回は町立山田小学校5年生児童56名および町立山田中学校2年生生徒105名を対象に、各クラス2時間ずつ授業を行いました。
 講師を務めたのは、同中学校卒業生の堀合紳弥さん(八戸工業大学大学院社会基盤工学専攻博士後期課程2年)です。災害の中でも特に山田町に関わりのある地震・津波や豪雨について説明したうえで、土木や建築の職業がどのような防災対策とまちづくりに取り組んだか、同町が現在の街並みまで復興した過程を紹介。ペーパークラフトを用いた耐震実験や、コンピュータシミュレーションによる津波遡上解析の体験時間も設け、建設技術や数値解析技術も紹介しました。また、災害時の人間心理や避難行動について解説し、いざという時に命を守るための知識についても説明。最後に、〇×の手上げ形式によるクイズで学習成果を確認し、授業のまとめとしました。

 参加した児童・生徒たちは、「今まで知らなかった防災知識を知れた」、「今の山田町になるまでにとても大変な災害を経験していたことが分かった」などと振り返りました。千島海溝・日本海溝沿いを震源とする地震により、大津波の襲来が想定されている山田町。生活するうえで、自分の命や大切な人の命を守ることを考える、良いきっかけとなったようでした。

(2023年1月31日 掲載)