八戸工業大学第二高等学校附属中学校にて「方言」の出張講義をしました

 12月10日、基礎教育研究センターの岩崎真梨子准教授が、八戸工業大学第二高等学校附属中学校にて出張講義「方言って、おもしれぇんよ」を行いました。
 今回のテーマは、「方言について学び、地域の言葉を知る」で、はじめに日本の方言について学び、次に青森県南部地域の言葉について学びました。東北方言特有のズーズー弁(中舌母音)の聞き比べでは、「梨」と「茄子」の違いを見事に看破し、大いに盛り上がりました。

 後半は、南部地域の方言を話すと共通語(標準語)に翻訳するぬいぐるみ型アプリケーション「ウルカス」の体験会を行いました。授業後のアンケートでは、「自分のしゃべったなまりをちゃんと聞き取ってくれたのが嬉しかった」「もっとたくさん方言を覚えて、いつか会話できるようになってほしい」「あの小さい機械にあれだけの言葉が入っているなんて、ウルカスの中身が気になります!」など、「ウルカス」への感想や期待が寄せられました。
 この方言アプリケーション開発は、2018年からシステム情報工学科の学生を中心として進めています。岩崎准教授は今後とも、地域の保存・継承活動の一翼を担う研究会として活動を続けていきます。


<今回の特別講義を企画した八戸工業大学第二高等学校附属中学校 畑先生からの感想>
 国語の授業で、三浦哲郎「盆土産」の南部弁朗読と、教材のCDに収録された朗読とを聞き比べたとき、「これぞ南部弁だ!」と盛り上がるかと思ったのですが、期待ほど反応がありませんでした。家族のルーツが三八地域以外の生徒も多く、ピンと来ていないようでした。文中の方言の息づかいを存分に楽しめるのは南部の人の特権なのに…と残念だったことをきっかけに、岩崎先生の特別講義が実現しました。生徒が地域ならではの方言に関心を持ち、楽しみながら学んでくれるのと同時に、言語の研究はコンピュータととても深く関わっていることを教えられてよかったです。ウルカスに話しかけているうちに、南部弁をマスターできてしまうかもしれませんね。

(2022年1月18日 掲載)