設立の趣旨

 青森県は、本州最北端に位置し、三方が海に面していることから長い複雑な海岸線を有する、積雪・寒冷地域です。また、地形的にも奥羽山脈の北端部の十和田・八甲田山系によって二分されることで、日本海側と太平洋側では気象環境が大きく異なります。そのため青森県の橋梁は、地理的・地勢的に多様な劣化環境下にあると言えます。さらに、近年では凍結防止剤に由来する塩化物の作用により、その供用環境は厳しさを増しています。
 一方、橋梁などの社会基盤は、県内の産業発展や防災、市民生活に大きく貢献してきており、今後もその役割は益々高まるものと思われます。青森県では、長期的な視点から橋梁を効率的・効果的に維持管理するための仕組みとして、橋梁アセットマネジメントシステムを構築し、全国に先駆けて運用を開始しています。さらに、県が管理する全ての橋梁を対象とした「橋梁長寿命化修繕計画」が平成20年に立案され、県内の市町村につてもその策定作業が進められています。そこで、将来にわたって、良質な橋梁インフラを確保し、構造物を有効に活用していくためには、橋梁長寿命化に関する学術的知識を集約するとともに、調査研究による青森県の環境や構造物特性を考慮した技術の創出、さらには維持管理に従事する技術者の技術レベルの向上が不可欠です。また、シニア技術者の高齢化にともない、経験豊かなエンジニアの不足が懸念されることから、地域に密着した技術の普及と継承、人材育成も大きな課題と言えます。
 もとより橋梁インフラは、市民生活や社会の安全・安心と密接に係わりを持っている。つまり、構造物に最も身近な存在である利用者も含めた関係者がインフラについて関心を深めることによって、技術者と市民との協働によるインフラの維持・活用を模索することも必要となってきています。
 そこで、本ネットワークは、青森県内の橋梁の長寿命化について関心をもつ学識経験者並びに技術者が、橋梁に係わる知識を深め、調査研究による地域に根差した技術の創出、橋に関する学術的知見の提供、技術の普及・継承と人材育成を通じて、良質な橋梁インフラの維持と市民の安全・安心な暮らしを支えるとともに、地域社会の持続可能な発展に貢献することを目的として活動します。

設立メンバー

  顧 問:長谷川明 片岡俊一(弘前大学)
  代 表:阿波 稔(八戸工業大学)
  副代表:上原子晶久(弘前大学)
  技術部会:
  部会長 庭瀬一仁(八戸工業高等専門学校)
  副部会長 迫井祐樹(八戸工業大学)
  材料・施工WG幹事 上北建設(株)
  維持管理WG幹事 (株)キタコン
 人材育成部会:
  部会長 阿波 稔(八戸工業大学)
  副部会長 杉田尚男(八戸工業高等専門学校)
  継続教育WG幹事 高瀬慎介(八戸工業大学)
  地域実装WG幹事 (株)コサカ技研
  青森県橋梁点検・維持工事SWG幹事 (株)中綱組

活動内容