青森・岩手県境産廃不法投棄問題・八戸工業大学の取組
県境不法投棄問題に関する研究成果報告書を掲載中
「研究成果中間報告書」を発刊しました
県境産廃問題に関する第3回報告会を開催しました
県境不法投棄問題に関する研究成果中間報告書を掲載中
「青森・岩手県境不法投棄廃棄物の低環境影響処理技術に関する研究開発」文部科学省ハイテク・リサーチ・センター整備事業への申請が採択される
■青森・岩手県境不法投棄廃棄物問題とは
■ 「循環型社会技術システム研究センター」を設置
■文部科学省ハイテク・リサーチ・センター整備事業とは
■研究開発プロジェクトのあらまし
■国・自治体、企業、市民とも連携した研究開発
■研究センターの活動と調査研究内容
  ・講演会の開催

 ・調査研究の全体計画
 ・調査研究の進捗状況

平成18年度県境産廃問題に関する報告会を開催しました。

  去る3月7日、本学で平成18年度報告会を開催し、自治体など学外関係者66名を含む110名が参加して、各種報告や活発な意見交換を行いました。冒頭、庄谷学長(研究代表者)の挨拶に引き続き、福士より文科省の中間評価結果を示し、概ね合格の評価を得たこと、平成19年度まで国庫補助が継続されることを報告しました。

  次いで、青森県県境再生対策室の山田報道監より「原状回復事業の進捗状況と廃棄物本格撤去計画について」と題して基調報告を頂きました。公の多数の場では初の報告であり、本格撤去の具体的な内容など当センターの研究推進にとっても大変参考となる内容でした。

  後半は当センターによる研究成果報告で、第1〜3研究班の全分野計6件の発表を行いました。テーマは、行政対応と住民意識、ハイテクシステム環境監視、汚染防止対策による水質変化、現場と周辺部の環境調査、廃棄物のコンクリート材料利用、超臨界水によるセルロース連続液化です。今回はいずれも、若手研究者による発表とし、内容も高度かつ斬新なものが多く、活発な質疑・意見交換がなされました。

  今年度は研究プロジェクトの最終年度にあたります。地域活性・振興策の提案なども含め、地域と連携して研究をさらに推進し、文科省への最終報告書提出、最終成果報告会の開催など、研究のまとめに入っていきたいと考えています。

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2. 「研究成果中間報告書」を発刊しました

 本学の循環型社会技術システム研究センターでは、このたび「青森・岩手県境不法投棄廃棄物の低環境影響処理技術に関する研究開発」の成果中間報告書を刊行しました。

 本研究開発は、文科省補助によるハイテク・リサーチ・センター整備事業のひとつで、平成15年度から継続実施しているものです。

 研究開始から3年経過し、平成17年度には文科省へ「研究進捗状況報告書(中間評価報告書)」を提出したことを機会に、これまでの研究成果をとりまとめたものです。全227ページにわたる膨大な研究資料で、研究成果として数々の論文、研究発表内容等が全文掲載されています。また、本研究では特許出願が6件にものぼっていることが特徴であり、その概要も掲載されています。

主な内容は次のとおりです。
1 研究成果中間報告書の発刊に当たって
・センター長挨拶
・研究開発の概要・組織など
2 研究発表(雑誌論文)
・査読付論文の全文
・報文その他論文の全文
3 研究発表(学会発表等)
・国内外各学会発表の講演概要集等の全文
4 知的財産(特許出願状況)
・出願特許の概要(計6件)
本報告書はすでに、学内はもとより関係機関(国、県、市町村、教育関係ほか)に送付済みです。なお、残部少数ですが、御希望の方は本学改革室へ御連絡・相談ください。
(研究センター会議副議長・土木工学専攻主任教授 福士憲一 記)
●県境産廃の研究成果6件 八工大が特許出願(東奥日報)
●県境産廃の”今”ネットで公開へ(東奥日報)
●産廃現場 カメラ画像・センサーデータ公開ページ(八戸工業大学)


3. 県境産廃問題に関する第3回報告会を開催しました

 平成17年8月27日、田子町中央公民館で研究成果報告会を開催しました。(案内ポスター参照)学外79名、学内26名の計105名もの参加者があり、盛況のうちに終了しました。(新聞報道記事参照[デーリー東北][東奥日報]

 今回は、第1回(平成15年、青森市)、第2回(平成16年、八戸市)に続いて開催されたものですが、これまでとは異なり、地元田子町の方々と広く意見交換をすることに重点をおきました。
学長挨拶の後、研究報告(PDFファイル)を受けて、約1時間にわたって活発な意見交換を行い、増田学長補佐によるまとめを行って閉会しました。意見交換の内容については、質疑応答概要(PDFファイル)を御覧ください。当研究センターとしては、これらの貴重な御意見を参考に、今後とも県境不法投棄問題の解決支援に取り組んでいきます。
 なお、報告会の内容については、当日の参加者にアンケートをお願いしました。その結果は、報告内容がわかりやすかった(79%)、満足した(69%)、今後も報告会を期待している(97%)ということで、おおむね好評でした。
報告会終了後には、初の試みとして交流会も開催しました。田子町の松橋町長さんほか学外33名、学内24名の計57名が参加し、さらに活発な意見交換と交流を行うことができました。
テーブルには、田子特産のニンニク、牛肉、酒まんじゅうなどの御馳走が並び、大変おいしくいただきました。この安全でおいしい素晴らしい食べ物を守るためにも、県境問題を一刻も早く解決しなければ・・・、この思いをさらに強くしたところです。 以上、開催にあたって御協力をいただきました田子町の方々に厚く御礼申し上げます。研究センターとしては、今後もこのような報告会や交流会を開催する予定です。御期待ください。(福士憲一 記)


4. 県境不法投棄問題に関する研究成果中間報告書を掲載中

 八戸工業大学では、大きな社会問題になっております青森・岩手県境産業廃棄物不法投棄問題に関する研究開発を目的に、平成15年4月大学院および異分野融合科学研究所の教員で組織する「循環型社会技術システム研究センター」を設立し、循環型社会技術システムおよび現地再生・地域活性化策、環境モニタリング・汚染拡散防止の技術とシステム、廃棄物再資源化の技術とシステムの研究開発に目下取り組んでいるところです。
  12月15日、当研究センターでのこれまでの研究成果について報告するため、中間報告会を開催しました。詳しくは報告書(PDF)をご覧下さい。

●表紙

●ハイテクリサーチセンター第二回報告会に寄せて
    学長・研究センター会議議長(研究代表) 高橋燦吉

●目次

●研究の概要と進捗状況
  大学院土木工学専攻・研究センター会議副議長・教授 福士 憲一

●第一研究班報告「循環型社会技術システムおよび現地再生・地域活性化策の提案」
  

リスク管理手法による田子町の住民意識調査
  異分野融合科学研究所・助教授 岩村 満 他2名

 

県内の処理施設と処理技術の現状
  異分野融合科学研究所・教授 大津 正道

 

廃棄物処理とその後の環境再生を視野に入れた施策提案
  大学院機械システム工学専攻・教授 岡村 隆成

●第二研究班報告「環境モニタリング・汚染拡散防止の技術とシステム
   リモートセンシングによる現場およびその周辺環境観測
  大学院電気電子工学専攻・教授 藤田 成隆 他7名
  現場周辺部の水質評価および微量化学物質の分析
  大学院土木工学科専攻・教授 福士 憲一 他1名
  現場周辺水系採取水試料中の微量有害金属元素分析
  異分野融合科学研究所・教授 村中 健 他2名
  現場周辺の細菌叢構造変化
  大学院機械システム工学専攻・教授 奥田 愼一 他2名
 

汚染状況モニタリング技術の開発
  大学院土木工学科専攻・教授 熊谷 浩二 他2名

  ●第三研究班報告「廃棄物再資源化の技術とシステム」  
   超臨界水ガス化法による廃棄物の分解
  大学院機械システム工学専攻・教授 岡村 隆成 他4名
  廃棄物の建設材料への利用
  大学院土木工学科専攻・教授 庄谷 征美 他3名
日 時:
平成16年12月15日(水)13:30〜16:30(受付13:00開始)
場 所:
八戸地域地場産業振興センター(ユートリー)〔八戸市一番町一丁目9番22号 0178−27−2227〕
参加費:
無 料
プログラム
13:30

開会挨拶
 学長・研究センター会議議長(研究代表者) 高橋 燦吉

13:40

研究の概要と進捗状況
 大学院土木工学専攻・研究センター会議副議長・教授 福士 憲一

13:55

第1研究班報告「循環型社会技術システムおよび現地再生・地域活性化策の提案

    1. リスク管理手法による田子町の住民意識調査
      異分野融合科学研究所・助教授 岩村 満
    2. 県内の処理施設と処理技術の現状
      異分野融合科学研究所・教授 大津 正道
    3. 廃棄物処理とその後の環境再生を視野に入れた施策提案
      大学院機械システム工学専攻・教授 岡村 隆成
― 休 憩 ―
14:50

第2研究班報告「環境モニタリング・汚染拡散防止の技術とシステム」

    1. リモートセンシングによる現場およびその周辺の環境観測
      大学院電気電子工学専攻・教授 藤田 成隆
    2. 現場周辺部の水質分析結果とその評価
      大学院土木工学専攻・教授 福士 憲一
    3. 汚染状況モニタリング技術の開発
      大学院土木工学専攻・講師 佐藤 久
15:40

第3研究班報告「廃棄物再資源化の技術とシステム」

    1. 超臨界水ガス化法による廃棄物の分解
      大学院機械システム工学専攻・教授 岡村 隆成
    2. 廃棄物の建設材料への利用
      大学院土木工学専攻・講師 阿波 稔
16:20

総括および閉会挨拶
 学長補佐・研究センター会議副議長 増田 陽一郎

県境産業廃棄物不法投棄問題に関する研究成果中間報告会のポスター

主催:八戸工業大学 循環型社会技術システム研究センター
後援:青森県 / 岩手県 / 八戸環境保全会 / 財団法人 青森県工業技術教育振興会


5. 「青森・岩手県境不法投棄廃棄物の低環境影響処理技術に関する研究開発」
文部科学省ハイテク・リサーチ・センター整備事業への申請が採択される
 2003年2月本学は、青森県と岩手県にまたがる国内最大規模の産業廃棄物不法投棄問題に対し、全学を挙げて廃棄物の総合的な処理技術等の研究開発プロジェクトに着手することを決定。テレビ、新聞でも大きく取り上げられました。
 同プロジェクトについては、文部科学省のハイテク・リサーチ・センター整備事業にも申請していましたが、4月21日文部科学省より正式な採択通知があり、国庫補助金が交付されることが決定しました。研究期間は平成15年度から5年間、総額数億円のビッグプロジェクトです。
 八戸工業大学は、このプロジェクトをとおして地元の問題解決に貢献するとともに、我が国の廃棄物処理処分技術の発展に大きく寄与しようとしています。
■青森・岩手県境不法投棄廃棄物問題とは

青森県と岩手県にまたがった地域で発見された国内最大規模の廃棄物不法投棄問題。環境汚染の発生、景観の破壊、地域住民の不安の助長など、大きな社会問題となっています。地元では異臭の発生や飲料水源の変更などの問題が発生しており、八戸市の水道水源である馬淵川の汚染の可能性も心配されています。青森県による実態調査の結果、次のようなことがわかっており、今後は各種の汚染防止対策がとられる予定です。

場 所: 岩手県二戸市上斗米地内(16ha)と青森県田子町茂市地内(11ha)にまたがる原野27ha
原因者: S業者(八戸市、産業廃棄物処理業)、K業者(埼玉県、産業廃棄物処理業)

調査結果(概要):
  1. 不法投棄廃棄物の推定量は青森県側が約67万m3、岩手県側が約15万m3
  2. 主な廃棄物は焼却灰、堆肥、汚泥、廃油、RDF(固形ごみ燃料)など
  3. 現場全体で揮発性有機塩素化合物による汚染を確認
  4. 堆肥様物から汚染水が拡散しており、周辺環境への影響が懸念される
  5. ダイオキシン類による高濃度汚染廃棄物を一部確認
  6. ただし現在のところ、周辺の水質は環境基準を概ね満足している

詳しくは青森県のホームページをご覧下さい。 >>http://www.kenkyo.pref.aomori.jp/


現場の航空写真
< 拡大写真を見る>

地質断面図(廃棄物層の鉛直分布状況)
< 拡大図を見る>
■循環型社会技術システム研究センターの設置
 この問題について、本学ではかねてから大きな関心を持ち、青森県の関係委員会にも教員を派遣してきました。また、工学的な解決策を提案するために、全学的な研究開発プロジェクトも模索してきました。
その結果、本プロジェクトを文部科学省の「ハイテク・リサーチ・センター整備事業」に申請することとしました。このたび、これが正式に採択されたもので、対応する研究組織として学内に新たに循環型社会技術システム研究センターを設置しました。高橋学長を代表とし、大学院と異分野融合科学研究所の教授ら計23人が参加しています。大学院については、機械システム工学、電気電子工学、土木工学、建築工学の4専攻すべてが参加しています。
■文部科学省ハイテク・リサーチ・センター整備事業とは
 文部科学省の「私立大学学術研究高度化推進事業」のひとつ。同事業は、私立大学の学術研究の高度化を推進するため、施設・設備費、研究費などを重点的に補助するもので、(1)ハイテク・リサーチ・センター整備事業、(2)学術フロンティア推進事業、(3)産学連携研究推進事業、(4)オープン・リサーチ・センター整備事業の4種類があります。 平成15年度は全国で60大学が選定され、予算総額約196億円という大事業です。本学は、このうちのハイテク・リサーチ・センター整備事業に採択されたものです。採択された大学は次のとおりで、東北では本学のみです。

酪農学園大、八戸工業大、武蔵工業大、工学院大、国士舘大、東京医科大、東京女子医科大、法政大、早稲田大、自治医科大、東京工科大、帝京科学大、愛知学院大、中京大、関西医科大

 近年、文部科学省は科学研究費の「ばらまき」補助をやめ、研究に優れた大学・組織に予算を重点配分する傾向にあります。今回の採択は、まさに本学の研究力が高く評価された結果といえます。
■研究開発プロジェクトのあらまし
従来の廃棄物処理は焼却と埋立処分が主体です。しかし、焼却によるエネルギー浪費と大気汚染物質の排出、埋立て地からの有害物質の漏出による環境汚染、および埋立地の維持管理など多くの課題を抱えています。また、地域住民の声を充分に把握しないため、課題解決が困難となる場合が多くなっています。<青森・岩手県境不法投棄廃棄物の低環境影響処理技術に関する研究開発> 本研究開発は、このような従来の諸課題を払拭し、総合的な廃棄物処理・処分技術を提案し、他のモデルケースとしても実施するものです。研究開発の項目は次の4分野です。
  1. 汚染拡散防止技術
  2. 不法投棄された廃棄物をエネルギー資源などとして活用するための資源化技術
  3. 不法投棄地域の水系や土壌の汚染状況などを確認していくモニタリング技術
  4. 風評被害の防止などにかかわるリスク管理手法
本学では従来から、廃棄物や環境の問題に積極的に取り組んできています。主なものだけでも次のような研究実績があります。本プロジェクトでは、これらの実績を融合・発展させて問題の解決に取り組みます。
  • 間伐材などの木質バイオマス(生物資源)の研究開発
  • 廃棄物を利用した建設・コンクリート材料の研究開発
  • リモートセンシング(衛星のセンサーによる観測)を利用した環境評価の研究
  • 環境ホルモンなどの微量有害成分を除去する高度水処理技術の研究
    木質バイオマスの開発
    現場付近の立体図(リモートセンシング用)
■国・自治体、企業、市民とも連携した研究開発
 このプロジェクトでは、青森県、八戸市や田子町などの関係市町村はもちろん、市民や企業などとも連携して研究を進めていく方針です。すでに、青森県とはプロジェクト実施に関する協力や成果の還元の仕方などについて協議をすることが決まっています。 また、青森県の「県境不法投棄現場原状回復対策推進協議会」にも参加し(委員:福士憲一教授、環境建設工学科)、原状回復の具体案について意見等を申し入れています。 本学はすでに、国のプロジェクトである「都市エリア産学官連携促進事業」「エネルギー教育調査普及事業」「地域結集型共同研究事業」 にも参画しています。これらのプロジェクトとも連携し、廃棄物問題に対して総合的な取り組みを行います。また、八戸港は国から「リサイクル・ポート(総合静脈物流拠点港)」にも指定されており、これとも関係づけた研究開発を推進していく必要があると考えています。
■研究センターの活動と調査研究内容
●講演会の開催
第1回講演会(2003/9/12): 研究開発の方向性、研究計画等について、すでに第1回講演会を開催いたしました。詳しくは、当日のポスター及び講演資料をご覧下さい。
県境産業廃棄物不法投棄問題に関する研究活動講演会ポスター
講演会資料
開会および基調講演「八戸工業大学の教育研究と地域貢献」
学長・循環型社会技術システム研究センター長 高橋燦吉
趣旨説明「県境産業廃棄物不法投棄問題への八戸工業大学の取り組み」
大学改革室長・電気電子工学専攻 教授 増田 陽一郎
報告1「不法投棄現地の状況と資源化等に関する研究」
機械システム工学専攻 教授 岡村 隆成
報告2「過去・将来にわたる環境監視技術と産業への展開」
電気電子工学専攻 教授 藤田 成隆
報告3「県境廃棄物問題と地域産業振興」
異分野融合科学研究所 教授 大津 正道
総括および閉会挨拶
建築工学専攻・土木工学専攻 教授 熊谷 浩二

第2回以降も成果が出次第開催する予定です。
■調査研究の全体計画
循環型社会技術システム研究基本計画(案)
八戸工業大学循環型社会技術システム研究センターの県境不法投棄廃棄物の低環境影響処理技術に関する研究開発
■調査研究の進捗状況

 第1部会から第6部会まで、各種の調査、実験、研究などを行っていますが、現在のところの主な進捗状況は次のとおりです。


 このたび、第2・3・4部会では、本学生物環境化学工学科専門棟P105実験室に最新鋭の専用研究装置を設置し、平成16年6月9日に公開しました。

循環型社会技術システム研究センターの装置配置図 P105実験室

エネルギー生成・利用システム部会(第2部会)の新規導入設備

研究概要
廃棄物中には、木質系の廃棄物があることから、これらについて超臨界水法によるエネルギー生成の技術と利用システムを開発する。超臨界水を使うと有害物質の無害化も可能であり、また農業残さなど水分の多い原料にも適用できるため、県境地域の資源活用によるエネルギー生成にも寄与できる。

新規導入分析設備
超臨界水法ガス化装置

研究目的
木質系などの有機性廃棄物を、超臨界水を用いて水素やメタンなどの可燃性ガスを生成させる。その際、効率的なガス生成を行うために、超臨界水下におけるガス化反応促進に適した触媒を選定する。

導入設備
導入された「超臨界水法ガス化装置」は、バッチ式の試験装置で、最高使用圧力40MPa、最高使用温度550℃であり、試料を容器内に入れて加熱することで、任意の温度・圧力条件を設定することができる。超臨界水は分解性が高いため、単にガス化反応だけでなく、有害物質であるダイオキシンなどを分解することができる。この水熱反応は含水性の高い有機性廃棄物からガス生成が行えるので、反応後は冷却するのみで生成したガスが水から分離され、タールなどの生成があっても全て液層に残るためクリーンなガスを生成することができる。 水熱ガス化は通常600℃前後で行われるが、高性能触媒を適用することで、400℃前後の低温での高効率ガス生成を目指している。触媒の選定に当たっては、Ni系等の金属触媒などと共に、ホタテ貝殻セラミックス等の廃棄物系触媒も候補に入れている。

 

今後の予定
 現在行っているバッチ式の試験で、ガス化に適した超臨界条件や触媒選定に見通しが得られれば、次の段階として連続式実験装置を設計・製作して、ガス生成試験を実施し、実証プラントのシステム構築を進める予定である。

進捗状況
現在、試料として木質系の主要成分であるセルロースを触媒なしの超臨界水条件下(375℃,22.4MPa)で、ガス生成の基本特性を得るための試験を実施している。生成物として,ガス,水溶液,非水溶性液(オイル),チャーに分離し、水素、メタン、一酸化炭素などの可燃性ガスの生成を確認した。


溶融スラグ利用部会(第3部会)の新規導入設備

研究概要
青森県境に不法投棄された産業廃棄物を用い、安全で且つ安定した溶融スラグ等の再資源化材料の製造技術を確立するとともに、再資源化材料の建設材料への利用技術システムを提案することである。

研究目的
近年、資源の有効利用、リサイクルといった観点から産業廃棄物をソースとした建設材資材の開発研究が積極的に進められている。これは、使用量が膨大な建設工事にその資材として再資源化された廃棄物を用いることにより、資源の利用率を高めることが可能であるためである。しかしながら、建設材料の品質を合理的にコントロールするための十分な再資源化技術は未だ開発途上であり、また、これらの技術により製造されたセメント系材料やコンクリート用骨材などの建設材料の品質や、環境への安全性を評価していくための枠組みや手法についてはさらなる検討が必要であると言える。

導入設備
新規導入設備:熱分析システム(TG-DTA、DSC、MS)・・・(1)
追加導入設備:X線回折データ分析装置・・・(2)

 

導入された設備は、産業廃棄物やその焼却灰、再資源化したセメント系材料およびコンクリート用骨材など、建設材料の鉱物組成の同定、温度に対する化学的・物理的変化の測定、水和反応により生成される水和物の定量化やその反応速度を評価する(1)熱分析システム(TG-DTA、DSC、MS)、(2)X線回折データ分析装置である。また、寒冷地における建設材料の耐久性(凍結融解抵抗性)を詳細に検討するために、DSCは極低温域の測定も可能な仕様となっている。

これらの装置により得られた各データを総合的に判断することによって、廃棄物や建設材料の環境安全性評価手法を検討する上での基礎資料となる。

本装置の整備により、産業廃棄物をソースとした建設材料の開発研究の大いなる進展が望める。


水系・土壌分析部会(第4部会)の新規導入設備

研究概要
廃棄物投棄地域からの浸出水、周辺の水系および土壌について(1)無機分析、(2)有機分析、(3)細菌分析、(4)同位体分析、(5)水質モニタリング結果の評価をおこない、地域環境の現況を調査して安全性確保に寄与する。

新規導入分析設備
新規導入分析設備は(1)無機分析、(3)細菌分析 をおこなうための設備

(1)無機分析

【研究目的】
廃棄物投棄地域から浸出水、周辺の水系および土壌についてAs、Cd、Hg、Pb、Se等の有害微量金属を分析し環境基準との対照、汚染状況の将来予測をおこなう。

【導入設備】
導入されたICP質量分析装置は環境中の水試料、土壌試料中の微量金属を希硝酸に溶かし、アルゴンプラズマでイオン化し質量分析する装置。各元素に対する検出限界は水質汚濁に係る環境基準の100分の1〜1000分の1程度であり、試料中の有害微量金属元素濃度の経年変動を調べることにより将来の状況を予測できるので、必要な場合は環境基準を超える前に対策を打つための指針を与えることができる。

 

【水採取地点】
1.ラグーン付近、
2.遠瀬旧水源からの流れ、
3.落合橋付近(杉倉川と熊原川の合流地点付近)
4.小板沢、
5.遠瀬新水源からの流れ、
6.杉倉川橋下(杉倉川上流)、
7.場内入口手前池、
8.海上川源流付近(岩手県側)

【進捗状況】
測定技術の向上に努め、測定結果の信頼性について検討している。

(2)細菌分析

【研究目的】
廃棄物の中には医療廃棄物も混入していることから、廃棄物投棄地域からの浸出水、周辺の水系試料および土壌について細菌種調査、同定をおこない、行政調査データを補完する。

【導入設備】
@導入された全自動細菌検査システムは細菌分離菌株の生理生化学的性質を測定し、その結果から菌株を同定する。
A導入された核酸電気泳動装置は試料中の細菌を一種ずつ分離せずにバルクで取り扱い、生息している細菌類全体を遺伝子レベルで検索するためのデータを提供する装置。これらの装置によって地域の水、土壌試料に住む細菌種を調べる。

【進捗状況】
導入装置を使いこなすための研修を進めている。

●リモートセンシングによる現場観測

●水質連続測定機器、監視カメラ等による現地観測

2004年2月10日にリモートセンシングシステムが一部稼動し、報道陣に公開しました。データや画像は こちらのページ で公開しています。