青森県地域結集型共同研究事業
世界初のクリスタル・ディスプレイ、計測装置公開される!
青森県地域結集型共同研究事業
平成16年度研究成果報告会

平成15年度 中間成果報告会
青森県が推進するクリスタルバレイ構想
ディジタルネットワーク時代が求めるディスプレイ
科学技術振興事業団
Japan Science and Technology Corporation

大画面フラットパネルディスプレイの創出
高速応答特性を有する高品位液晶技術の開発研究
RCD対応型CREATEコア研究室
1. 世界初のクリスタル・ディスプレイ、計測装置公開される!
  青森県地域結集型共同研究事業平成16年度研究成果報告会

大画面フラットパネルディスプレイ(FPD)の開発を目指す「青森県地域結集型共同研究事業」について平成17年2月14日に、八戸市のユートリーで本年度の研究成果報告会が開かれました。報告会には、県内外の研究機関や民間企業などから約百五十人が参加、新技術・産業創出の鍵となる最新の液晶ディスプレイ研究の成果に聞き入っていました。八戸工業大学の教員、大学院生、OBの8名の研究者がこの事業に加わって活躍をしています。

   
   
家庭用テレビなど液晶ディスプレイは急速な普及が遂げられていますが、一方では、省エネに優れた、ボケが少ない高品位の動画表示が求められています。八戸工業大学など産官学の研究チームは、「フィールド・シーケンシャル方式」による6インチ型液晶画面を開発しました。従来は赤、緑、青三色のカラーフィルターで様々な色を表示させていました。この方法はせっかくの光を吸収して用いるために効率が良くありませんでした。フィールド・シーケンシャル方式は時間をずらし発光ダイオードを点灯させる全く新しい方式です。画面上に様々な色を表示することができ大画面フラットパネルディスプレイ(FPD)開発の試作品で、光利用効率が3倍ほど高く、画面が高精細のため、従来の液晶画面が苦手としているスピード感ある動画もはっきり見えます。報告会では本学大学院の博士号を修得した中野茂研究員がこの説明に当たりました。多くの方が素晴らしい表示性能に感心していました。
   
ところで液晶分子の応答時間の高速化を実現するには、液晶の応答特性を詳しく解析する必要が有ります。この事業の中では液晶動画の画質にかかわる液晶分子の「粘性係数」を、従来より簡単かつ高い精度で測定する画期的な方法について発表し関心を集めました。粘性は液晶の粘り気の程度を表します。粘性が高いと粘っこく動きが鈍くなってしまいます。普通の液体の粘性係数は一つだけです。しかし、液晶分子の向きや動きに対応した粘性係数は五種類あります。従来の方法では一種類しか測定出来なかったが、液晶に電圧を加えることで三種類の主要な粘性係数を求めることが可能となりました。会場には、新しい測定方法に基づいて開発された粘性係数測定装置の試作機も展示された。まさに世界初の測定装置です。より高品質な液晶ディスプレイを開発していくには必要不可欠な装置として期待されています。
   
また、液晶という言葉はよく知られているのですが、実態は良く知られていません。会場では八戸工業大学大学院生の佐藤裕哉さんが「液晶事始め」と題して液晶の性質を実験を交えて分かりやすく説明していました。液晶を初めて目にする人も多く、興味を引きつけたようです。
   
主席グループリーダを務める八戸工業大学の関秀廣教授(電子知能システム学科)は、「事業で取り組んでいる液晶ディスプレイは動画像の鮮明化、色再現性の向上が図られており、世界レベルでそん色ないもの」と自負しています。この事業は平成18年の11月まで続けられます。