Flash 副学長挨拶
副学長写真八戸工業大学
副学長 橋本 都

プロフィール
出身校 :お茶の水女子大学
専門分野:教育学
    :家庭科教育学
出張講義テーマ:
●教職課程における実践教育の在り方
●他校種連携による教育の成果と課題
●消費者市民社会を構築する消費者教育の実際

~高校生へメッセージ~
今とこれからが大事。一人ひとりのよさを生かそう。
理工系への進路を考えてみよう
~女子高校生の将来に期待する~
 女子高校生の皆さん、こんにちは。
 皆さんは、将来をどのように描いていますか。女子高校生の皆さんと進路のことを考えてみたいと思います。
Ⅰ. 日本で女性が働くこと
 人間は誰でも、その資質・能力を生かし、関心のあることや好きな分野を学び、その学びを職業に生かしたり、さらに研究したり、家庭や社会で生かしたりできたら、本当に素晴らしいことです。しかし、皆さんは、女性であるがゆえ、何を学びたいか何になりたいか深く考える前に、将来の結婚や子育てのことなどをまず先に考えてしまっていないでしょうか。
 ようやく日本でも、さまざまな分野で女性が活躍できる時代となってきました。理工系など女性がほとんどいなかった分野においても、体力をカバーする技術や意識改革が進んで働きやすくなってきています。システム情報やバイオ環境関係ばかりではなく、機械、電気、土木・建築分野でも、また、技術職だけではなく専門知識や資格を生かした営業や研究職として女性が就職しています。
 今、日本は少子高齢社会となり、このままでは労働人口が大きく減り、経済成長ができなくなることから、女性の労働力への期待が高まっています。女性の就業率について、日本と欧米各国との大きな違いは、30歳前後に一時急低下する、いわゆるM字カーブを描くことです。実際、育児や介護など家庭生活の問題が女性に大きくのしかかっています。さらに、子育てを終え、いざ働こうとしても収入のよい正社員の道はほとんどありません。
 このような背景から、政府は「一億総活躍社会」の実現にむけ、子育て支援や介護等の問題に取組むことを示しています。家庭生活の運営にも男女の協力が求められ、ワークライフバランス(仕事と家庭の両立)が大きな課題となっています。もちろん、家族の誰が働くかは各家庭で考えることですが、いつでも社会で働くことのできるキャリアを身に付けておくことは大切ですし、男性だからといって十分な収入が得られる時代でもありません。
Ⅱ. 女子は理系が苦手?
 世間には「女子は文系で男子は理系」と性(ジェンダー)でわけてしまう考え方があります。確かに、国語や英語の教師は女性が多く理科や数学の教師は男性が多いのは事実ですが、女子は本当に生まれつき理系が苦手なのでしょうか。
 小さな女の子が、動植物に強い関心をもち、虫とりをしたり、泥んこ遊びや駆けっこや工作が大好きだったりしても何の不思議はありません。むしろ周囲の大人が女子の成長に応じて「女の子らしい」遊びや生活に誘導してはいませんか。勉強においても数学が苦手な人は男女ともいるのですが、一般に女子に対しては苦手克服を求めないように感じます。
 よく文系理系と分けて物事を考えがちですが、実は生きていくためには文理両面の力が必要です。考えを相手によくわかってもらうためには論理力など理系の力が必要ですが、皆と柔軟に対応し活動するためには、会話を楽しむ、相手を思いやるといった文系の力も必要です。今後、急速に進展する科学技術の世界においては、文理両面の力が相俟って新しい発想や創造がなされるだろうといわれています。文系分野でも理系科目は大切ですし、理系分野でも文系科目は大切なのです。
 あなたが、「興味関心のあるのは理系だけど理系科目が苦手だから進学先は文系」と考えているのなら、簡単にあなたの夢をあきらめないでほしいのです。「好きこそものの上手なれ」。苦手科目に取り組むことは、得意なことよりしっかり努力するのでかえって真の実力となるかもしれません。
Ⅲ. 女性の力量発揮
 さて、皆さんの今後の進路を考えるとしましょう。たとえば、皆さんが「食」に興味関心が強いとすると、食の歴史や文化を学ぶ道、調理や栄養を学び職業資格をとる道もあります。本学にあるような食物の成分分析や機能から新食品を創る「モノづくり」すなわち食品工学の道もあります。このように大学への入口はたくさんあるのです。
 一方、大学の出口である就職はどうでしょうか。たとえば実験実習で試験管やコンピュータと格闘していた学生には「化粧品」「繊維」関係の企業からも求人があります。むしろこれまで女性が得意としてきた家庭生活に役立つ衣食住、家電や介護などの研究開発で力量発揮が期待されているのではないかと感じています。
 同様に、身近な生活や地域の産業界から期待されている工学の世界、たとえば製品開発や技術開発の世界は、まだまだ不十分で、海洋工学や宇宙工学と同じように、とてつもなく広く可能性のあるものです。
 また、たとえば、医療分野で貢献したいと考えると、まず、思い浮かぶ職業は、医師、看護師、薬剤師でしょう。しかし、それだけではありません。病院には臨床検査技師、放射縁技師、臨床工学技士といった医療スタッフがいます。本学の学科のような、情報やバイオ、機械、電気など理工学研究での医療貢献の道もあるのではないでしょうか。
 大学で好きな分野を学ぶ貴重な時間はきっと皆さんの将来に誇りと自信を与えてくれるでしょう。本学は理工系のせいか女子学生は少ないのですが、学科を越えた先輩後輩のつながりが強く、モノづくりまちづくりへの提案、学生会活動などをはじめ本学を牽引する大きなパワーとなって活躍しています。(本年度企画された「スイーツビュッフェ女子だけのお茶会」は新入生30名を含め学生、教職員合わせて83名で大盛会でした。)
 女子高校生の皆さん、理工系の本学で学んでみませんか。皆さんが課題をもち関心をもって学ぶことで、皆さんの可能性を大きく開発していきたいと考えています。そして、皆さんが、地域の産業や生活を牽引してくれることを期待しています。

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